美容室の開業には多くの手間と時間が必要です。そして、もっとも必要なものがリスク管理です。美容室の開業と聞くと多くの方がどうやって収益をたてていくかを思い浮かべがちですが、美容室の開業にどのくらいリスクを考えているかで成功するかどうかは決まっているとも言われています。では、必要なものとしてあげられるリスク管理具体的にどのようなものなのでしょうか？今回は保険や資金計画について詳細に説明してきます。
目次
美容室の開業時に必要なリスク管理とは
美容室を開業し、経営者となると考えなければならないリスクが多くあります。以外に思う方も多いかと思いますが、独立後に経営が傾いてしまうきっかけは見込んだ収益をあげられなかったことよりも、体調を崩してしまった、自己にあったなど経営と離れていることも少なくありません。また、火災や盗難などによって大きな損失を被ることも考えられます。このような起こりうるリスクに対応するためには保険が役に立ちます。毎月の資金計画に盛り込み、しっかりとリスク管理ができた状態で美容室を開業する必要があります。
美容室の開業時に必要なもとのしての保険とは
月々の収益を大きくするために開業前の資金計画で省いてしまうことの多い保険ですが、美容室を経営する際には「生命保険」「自身の損害保険」「サロンの火災保険」には必ず加入するものと心得ておきましょう。ただでさえ物件の家賃や備品などで月々の出費が多い美容室の経営ですがリスクを回避し、安定した収益をあげる土台となりますので、後悔しないよう加入しておきましょう。
生命保険の重要性
さきほども紹介しましたが、意外と美容室を開業した直後に体調を崩してしまったがために経営に失敗するケースも少なくありません。独立するまでは一従業員として仮に仕事ができなくなったとしても、一時の収入が見込めなくなる程度ですが、美容室の開業後はそうはいきません。金融機関への返済や家賃だけでなく、従業員を雇い入れている場合には人件費もしっかりと支払わなければなりません。生命保険の中には、長期平準定期保険や逓増定期保険などの経営者向けも準備されています。さまざまなリスクに対応するために、まずは自分の体調を管理することも必要なもののひとつと言えるでしょう。
自分の損害保険とは
体調管理をし、自分の身を守ることも大切ですが、日々の生活の中でもどんなトラブルに見舞われるか分かりません。例えば、住宅の火災や交通事故など、一個人としても事故に遭い、大きな損失を被る可能性はあります。そんな時にしっかりと適用される個人名義の損害保険もリスク回避には大切です。
サロンの火災保険
店舗の名義で開業時に契約する火災保険を店舗総合保険と言いますが、サロンのトラブルに関しては多方面をカバーしてくれますので、必ず加入しましょう。基本的には物件を借りた段階で、不動産屋によって建物の火災などの保険は必ず加入することになります。ただし、この保険には、サロンの備品や資産に関しては適用になりません。そのため、自分で取り付けた内装や什器、設備などは美容室名義で加入しておく必要があります。補償の対象は、建物や設備・什器備品、商品・製品など多方面に渡り、保証内容によっては盗難事故も対象となります。美容室を開業する前の段階であまり必要なものとされないことが多いのですが、長期の休みの間に強盗に入られたというケースも少なくありません。そんな状態でも、経営を安定させるためにサロンの火災保険も必要です。
美容室の開業前の融資相談に必要なものとは？
美容室の開業をなんとなくでもイメージされている方は、必ず初期費用の50%くらいの金額が自己資金として準備しておくようにしましょう。もちろん、さまざまな手段をもちいれば自己資金ゼロでも美容室を開業できます。ただし、思うような売上をあげられなかった、思った以上に出費がかさんだといった場合に対応できません。また、美容室の経営はお客さんが安定して来る状態になるまで、かなりの時間を要すると言われています。そんな時でもある程度の余裕を残すために、必要なものとして美容室の開業前の自己資金があげられます。
開業前にどのくらいの融資が受けられる？
自己資金ゼロの状態ではサロンの経営が苦しいものになるとお伝えしましたが、融資を全く受けずに開業できる方もほぼいないと言って良いでしょう。店舗を構えるエリアは物件の状態によって、初期費用もまちまちですが、おおむね1000万円の金額は必要とされています。そして、融資を受けられる上限は自己資金の2倍程度が上限とされており、一般的には500万円の資金が手元にあれば1000万円ほどの金額までは審査がおりるとされています。融資を受ける段階では物件を決め、内装工事にどのくらいの費用がかかるかなどの初期費用の金額を金融機関に提示することになりますので、初期費用で融資分の金額をすべて使わない資金計画が重要になります。
無理のない資金計画
美容室の開業を検討している段階で、正確な資金計画も必要なもののひとつになります。金融機関に融資の相談をする段階で、どのくらい安定した収益をあげる見込みがあるかも条件のひとつになります。なんとなくイメージしている段階では、収益についても明確な根拠のない数字になってしまいがちですので、専門家の力を借りることも必要です。
経営者としての人格
各金融機関に提出する書類のひとつに「経歴書」というものがあり、融資審査の項目のひとつになります。資金計画などを提出する前に提出する必要があり、最初にチェックされる書類でもあります。言い換えてしまえば、履歴書のようなものですが、経営者になるにふさわしい人材かどうかを審査するために受賞歴やサロンでの活躍ぶりを確認されます。これまでの経験をチェックし必要なスキルや実力を備えているか、経営者としての度量によって出資額も変動すると言われています。マネジメント能力や開業する責任感などを問われることになりますので、アピールできる内容はもれなく盛り込みましょう。また、将来は自分の美容室を開業したいと検討されている方は、受賞歴などの分かりやすい成果を作っておきましょう。また、明らかにマイナス評価になるような行動を取らないことが今のうちからできる必要なものと言えるでしょう。
美容室の開業前に必要なものとしての人脈とは
美容室の開業までの計画手順などの情報を事前に集めておくことも大切ですが、いざ準備に取り掛かるともともともっている人脈がなにより大切な必要なものになります。具体的には、「すでに美容室を開業している方」「税理士・中小企業診断士」との関わりはできるだけ早いうちから作るようにしましょう。また、自分の計画をより具体化していくためにも、すでに独立している方や税理士・中小企業診断士との会話も必要なもののひとつと言えそうです。
すでに美容室を開業している方に聞けること
美容師として勤めているうちでも、コネクションを作りやすい存在として自分で独立した方やオーナーがいます。もちろん現役で経営をされている方であり、自分で一からサロンを立ち上げた経験のある方ですので、コツを聞くには非常にありがたい存在です。店舗の選び方や設備関係の手配についても、コネクションを使い、信頼できる方を紹介してもらえる可能性もあります。
税理士や中小企業診断士に相談できること
税理士や中小企業診断士はエリアごとで行う事業によって見込める収益などの資金計画を立てるプロと言えます。なんとなく自分で美容室を開業する前にサービス料やコンセプトをイメージした後には、必ず税理士や中小企業診断士に相談するようにしましょう。美容室を開業する前に収益をシュミレーションし、経営が傾いてしまうなどのリスクを指摘してくれるでしょう。
まとめ
以上のように自身で美容室を開業する前には、リスクについて考えておくことが大切になります。また、そのリスクを回避するために必要なものとして、保険・融資・人脈があげられます。基本的に必要なる段取りについては、独立されている方やオーナーなどを頼り、資金計画については税理士や中小企業診断士を頼るようにしましょう。人脈があることで、さまざまなリスクを回避するために必要なものも少しずつ見えてくるはずです。具体的に独立する時期やエリアを検討し始めた時期から、人脈について意識しておくことをおすすめします。