美容師が独立して開業する場合の5つのポイント

美容師になって10年ほど経過すると、自己の方向性を考えるようになり、独立したいと思うようになりますよね。勤務美容師時代からずっと考えていても、なかなか資金も勇気もなくて実行に移せない、踏み込めないという方も多いのではないでしょうか？

ここでは、美容師として独立開業する場合の準備の流れやポイントをコンパクトにご紹介致します。

美容師独立・開業する時のポイント①物件探しと申込み

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美容師さんがいざ独立して開業しようとする時、やはり店となる物件を探さなくてはいけません。店の所在地は、売上や集客にも大いに影響するため、店の立地の決定はおざなりにはできません。

店の立地決定は慎重に！

店の立地は、東京なら新宿や渋谷、そして美容院激戦区である原宿や代官山が理想的ですが、とても家賃が高いです。美容師にそれだけの資金があるなら別ですが、普通は最初からそこらに店を出すには、まず無理なのではないでしょうか？

サロンの物件探しはまずやりたいお店のコンセプトに合わせて探すのがおすすめです。例えばエレガント系なら、ちょっと「セレブ」と言われている街の住宅街でもいいでしょう。住宅街にひっそり佇んでいる一軒家というのも素敵です。

また、ナチュラル系がコンセプトなら、けっこうダウンタウンでもリバーサイドにあったり、公園の近くであったりと自然が感じられるところもいいでしょう。

インターネットや美容情報誌で情報収集

また、美容師として納得できる物件探しは歩いて見て回るのが理想的といえますが、勤務しながらの場合、休みである火曜日などしか物件探しができないため、インターネットでいくつか探してピックアップし、後日不動産屋に問い合わせる方法がおすすめです。

また、「定期借地権」というタイプの物件には注意です。定期借地権は期間限定の借地権があるもので、賃貸料が安い場合があるので、引っかかりやすいのです。例えば定期借地権が10年とある場合、10年経ったら立ち退きをしなければなりません。

しかし、場所がとてもいいわりに賃料が安い場合もあり、期間限定であっても、いい場所で営業できるというメリットもあります。

「水回り」などの設備は意外と高額

数ある物件の中には美容院にとって不可欠の「水回り」が整っていない物件もありますので、ちゃんとした水回りが整っているかどうかも確認しましょう。元飲食店などでも水回りが整っている物件はおすすめです。

水回りの配管はお金がかかるので、シャンプー台とトイレ、水屋などの距離が長いのも避けたほうがいいでしょう。水回りはできるだけコンパクトにしたほうが費用が安くすみます。ちなみに、水回りは専門業者に依頼したほうがいいでしょう。水回り工事の場合、シャンプー台や水道など何もないスケルトン状態の場合は、50~70万もかかります。前の店が水道などを置いていった居抜きの場合は、元の配管に高圧洗浄をかけますが、それでも20万はかかります。

ダメ元で値下げ交渉はしたほうがいい！

不動産屋では、いちおう「値下げ交渉」をしたほうがいいでしょう。大家さんによっては、空き家の期間を作りたくないため、たとえ1万の家賃でも下げてくれるところもあります。1年にすれば12万ものディスカウントになりますので、ダメ元で交渉してみる価値はあると言えるでしょう。たとえ月1万でも貴重な金額ですので、できるだけ経費のセーブに努めましょう。

美容師独立・開業時のポイント②融資面接と決定

美容師独立には、まずある程度の自己資金と、足りない分は融資でまかなうことになりますが、自己資金が全然ないというのは危険だと思います。

美容師が開業する場合、平均的に自己資金が400~500万、融資が1000~1200万というのが相場のようです。

勤務時代は店に入って固定給という方もいらっしゃったかも知れませんが、多くは「面貸し」で普通の勤務美容師よりも稼いでこられた方も多いのではないかと思います。

仮にサラリーマンで固定給があるなら、融資を受けるにも比較的簡単に融資してくれるようですが、いわばフリーランスに1000万以上もの融資が受けられるのか、心配になるのではないでしょうか？

本当に自分は融資が受けられるのか？

実は、「日本政策金融公庫」というところがあり、多くの独立した美容師さんはそこで開業のためのお金を融資してもらっています。

日本政策金融公庫は美容師の間では「公庫」と呼ばれ、無駄な費用がかからないのと、いろいろな融通が効くので重宝がられています。

銀行で借りた場合の「無駄な費用」に注意

銀行でお金を借りる場合には、「保証協会」を通じて融資するため、公庫で借りるよりも20~30万は余分にかかってしまうと言われています。

時と場合によりますが、「不動産契約書」の提示を求められる場合もあり、まだ賃貸契約をしていないと、思い描いていた計画が狂ってしまう場合もあります。美容師が独立開業のために自分の描いたフローチャート通りに進むのは「公庫」だということになります。

美容師独立・開業時のポイント③内装業者選定と決定

不動産を決めたらこんどは、内装です。

内装業者はいまやインターネットや美容専門誌でも探すことができますが、美容院の内装をやり慣れているところを選ぶのがおすすめです。

美容室内装経験の豊富な業者を選ぶ！

美容室の内装は特殊な物件なので、一例をあげるとセット面同士の間隔や、人同士がぶつからないような導線の引き方、または水回りの配置など、使い勝手が悪いと仕事になりません。

ですから内装業者として経験が長いというだけでは不十分で、「美容室の内装経験が豊富な業者」さんを選ぶというのは、いわば必須条件です。美容室の内装経験がないと、働く人の使い勝手がわからないため、あとになって使いにくいということになりかねません。業者との面接の時に、最初にどのくらいの美容室内装経験があるのか確かめたほうがいいでしょう。

美容師独立開業時のポイント④税理士や社会保険労務士に依頼する

美容師も勤務時代は、確定申告をすればそれで済んだのですが、独立開業となると、税理士さん、社会保険労務士さんとは切っても切れない縁になります。

「税」「労務」と聞いただけでアレルギーを起こしてしまいそうな人もいるでしょうが、こればかりは、店を構えるにあたっては避けてもいられません。

「記帳代行」だけでも精神的、肉体的に助かる！

もっともまだ売上が安定しないうちは、自分でやってしまう手もありますが、ある程度売上が上がってくると税金関係も複雑になってきます。そのため、「記帳代行」という作業だけでも依頼するとずいぶん日々の作業も楽になります。

これは、美容師が開業して、店の売上や使った経費などの領収証、通帳のコピーなど、金銭の出入りのある物を渡すだけで、月々の帳簿にして返ってくるサービスです。日常的にこれをやっておけば、確定申告の時も楽です。また、将来独立した会社組織にする時にも、ちゃんとした帳簿をつけていたほうが便利だとも言えますので一石二鳥のサービスです。

従業員を雇用する時に便利な社会保険労務士

また美容師が開業時に従業員を雇用する場合は、社会保険や労働保険の手続き、給与計算、さらに助成金などの手続きもあります。自分でやるのはかなり複雑ですし、役所に行く労力も伴うため、「社会保険労務士」さんに依頼してはいかがでしょうか？もっとも、依頼するにはそれなりの費用がかかりますが、労力を考えると、依頼したほうが精神的にも体力的にも得な場合もあります。