美容室に勤めて入るけど、面貸しで個人事業主のような勤務形態の美容師だからと、社会保険の補償などをあきらめていませんか?
会社員は会社が半額保険料を負担してくれて、毎月天引きで保険料が引かれますが、フリーになると社会保障も国民健康保険となり全額個人の負担となります。でも、フリーランスでも保証されるべき保険には入れます。
フリーランスの面貸し美容師だといったいどんな保険に入れるのでしょうか?ご紹介致します。
目次
フリーランス美容師の保険にはどんなものがある?
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では、美容師の保険にはどんなものがあるがご紹介致します。
フリーランス美容師の健康保険
ではまず、美容師の健康保険からご紹介致します。
国民健康保険
日本では全国民がなんらかの健康保険に入っています。小さな美容室などの場合で、社会保険がないところは、この国民健康保険に加入している美容師さんも多いでしょう。運営は市区町村単位なので、役所に手続きに行きます。また、保険料は給料や地域によって違いがあり、すべて一律料金ではありません。
社会保険
いわゆるサラリーマンが会社で天引きされているような保険です。最近では美容室でも法人化しているところが多く、会社単位で加入します。概して大きな美容室チェーンなどで法人化しているところに勤めている人が加入します。社会保険がオトクなのは、会社が保険料を半分負担してくれることです。これはフリーランス美容師が勤務美容師を羨ましく思う点です。
なお、美容室の社会保険には、中小企業のサラリーマンも加入している「協会けんぽ」や近年になって設立された、全日本理美容健康保険組合があります。
美容国民健康保険組合
これは美容師だけが入れる保険です。東京や大阪の事業所で、美容の業務に携わっており、定められた範囲内に居住する美容師なら誰でも入ることができます。加入した場合は「組合員」となり、同一住所に居住している人は被保険者となります。ただし、75歳以上の方及び65歳以上75歳未満の方で一定程度の障害認定を受けている方は後期高齢者医療制度の被保険者となります。
また個人事業主の場合は、「事業主組合員」として、加入できます。共同経営の場合、代表社人を事業主組合員とし、他の人は従業員組合員となります。
また、美容の仕事に携わっているが、インターン、見習、ならびに事務、会計、雑役などの方は従業員組合員として加入することができます。
また、事業主と同一世帯の家族も加入することができます。
健康保険の他、出産の一時金や人間ドックの助成金なども貰うことが出来る場合もあります。
フリーランス美容師の年金は?
それでは、美容師の年金制度はどうなっているのでしょうか?
国民年金
国民年金は個人事業主やフリーランスの美容師が加入しています。日本国民は20歳以上60歳未満であるなら、国民年金、健康保険に加入の義務があります。それによって、将来、「老齢年金」や「障害年金」などの年金がもらえることになりますが、一部の美容師さんはこの保険にさえも入ってなかったり、保険料を支払ってない人も少なくありません。
美容国民健康保険組合に入っている人はそれと合わせて、個人で支払いをします。保険料は給料や地域によって違いはなく、一律金額となります。
現在では、郵便局、銀行に加えてコンビニなどでも支払いができるので便利です。また、毎月口座引き落としで支払うのも便利です。
厚生年金
厚生年金は、勤務している美容室が法人化している場合などに会社の加入している保険に、その会社の従業員が入ることができます。こちらですと、健康保険と一緒に、給料から天引きで支払いをします。近年は将来の生活の不安からか、法人化して社会保険に加入している美容室も多く、したがってその美容室の従業員であれば、保険に加入することができます。
厚生年金のいいところは、保険料の半額を会社が負担してくれるということです。国民年金が全額個人負担なのに比べ、保険料の半額は会社持ちなのですから、とてもお得な制度です。
フリーランス美容師が怪我した時、失業したときなどは?
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では、怪我をした時、失業した時などはどうしたらいいのでしょうか?
労働保険には、雇用保険と労災保険があります。どちらも社会保険の一種なので、会社組織の美容室で働いている美容師なら入ることができます。
雇用保険
雇用保険は失業した時などに支払われる保険です。「週に20時間以上働く人」「31日以上雇われる見込みのある人」は雇用保険に入らなくてはなりません。雇用保険に入っていると、失業保険の他にも「育児休業給付」や離職後の「傷病手当」などが支払われます。なお、保険料は会社と美容師が折半で、美容師は負担率5/1000ですみます。
フリーランス所得補償制度
これは公的なものではなくて、フリーランス協会と損保ジャパン日本興亜さらに安田保険センターが発売しているもので、フリーランスの所得補償保険と傷害保険、さらに賠償責任保険がセットになったものです。この保険はフリーランスの認知度向上や事業、キャリア形成の支援、また労働環境の改善や向上のために作られました。
フリーランス協会の団体割引が適用されているので、個人で入るよりも半額程度保険料が安くなっています。所得補償保険とは、フリーランスが病気や怪我で働けなくなった場合に、給料を軸に保険料が支払われるというものです。また、傷害保険は急激かつ偶然な、外来の事故で怪我をした場合、入院費、通院時、介護費、そして死亡保障が支払われます。
また、保険だけではなく、WELBOXなどの福利厚生サービスが受けられるのも魅力です。これは、企業の福利厚生のように、保養所に安く泊まれたり、観劇やコンサート、スポーツクラブなどが安く使える制度です。本人だけではなく、2親等以内なら利用できますので、家族サ‐ビスにも使えます。
さらに会計サービス、人間ドック、貸会議室、カウンセリング、家事代行サービスなどが割引で使える場合もあります。
フリーランス美容師のためのビューティー保険
これはすでにサロンオーナーになっている人のための保険かも知れませんが、知っておいて損はない保険です。
施設所有者の賠償責任、事業活動の総合保険、従業員の災害補償がセットになったもので、美容院の運営にかかわるリスクをトータルに補償できます。
例えば、賠償責任では、お客様に怪我をさせてしまった、パーマ液でお客さまの服を汚してしまった、サロンの床でお客様が転倒、骨折した、お客様から預かったバッグが紛失した、または、破損させてしまった、店に泥棒が入った、火災により店の什器消失など店舗運営に関するリスクを補償してくれます。
美容師に限らずフリーランスで働いていると、頼れるのは自分だけ。なにかトラブルがあっても自分でそれを解決しなくてはなりません。でも時には、自分一人では解決できないような大きな問題が予期せず起きてしまうこともあります。
そんな時に頼れるのがこのようなフリーランス保険です。備えあれば憂いなしなので、加入を検討してみられてはいかがでしょうか?この保険のメリットは団体扱いなので個人で入るよりも格安で加入することができること、いろいろな福利厚生があることが魅力です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
フリーランスで働く美容師さんをサポートする保険をご紹介致しました。
フリーランスで働く美容師さん向けの保険は、まず公的保険では、国民年金、国民健康保険それに雇用保険、労働保険があります。
また、勤務している美容室が大規模で法人化している場合などには社会保険にも加入できます。会社組織の美容室で働くのはとても安定感がありますが、フリーランスにはそれに代えられない魅力があるのも事実です。
フリーランスで美容師として働くには、それなりの備えが必要です。いきなり保険に入らないにしても、情報として知っておくだけでも何かの役に立ちそうですね。