美容師と労働基準法・労働時間について知っておくべき4つのポイント | FLIP! – フリーランス美容師向け面貸しメディア

美容師と労働基準法・労働時間について知っておくべき4つのポイント

労働基準法とは、労働者と雇用者の間に不利益が出ないために存在しています。しかし、特に美容業界では長時間労働などで、残念ながら「労働基準法って何?」という店も存在しているのが現実です。

ここでは、美容師の労働基準法と労働時間についてご紹介いたします。

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美容師と労働基準法・労働時間①美容師の労働時間とは?

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ではまず、美容師の「労働時間」って何時から何時までを言うのでしょうか?

これは、当然店によって違いますが、ハローワークなどで求人票にかかれている労働時間は店の「営業時間」が書かれています。面貸し美容師でなければ、10時開店だからといって、その時間に出勤するということはまず、ありませんよね。開店の準備や掃除などがあり、少なくても1時間くらい前には出勤しているはずです。

労働基準法の労働時間の定義では、「原則1日8時間、1週間40時間以内」となっており、普通の会社などでは、労働時間である「定時」を超える時間には「残業代」が発生します。ただし特例では、10人未満の事業場において、商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業の業種にあたっている場合は「1週間44時間以内」となっています。

しかし美容院の場合には、はっきりした「定時」が存在せずに、開店前や終業後の準備や片付け、カットなどの練習時間などははっきりとした「残業時間」としてカウントしていない店がほとんどのようです。労働基準法に違反とならないようにグレーゾーンに存在して、言い逃れをしているのが現状です。

美容師側にとっても、自分の技術向上のために開店前や終業後に店のスペースを借りて練習をさせてもらっているわけですから、労働時間が長いと思ってもあまり強く言えない場合も多く、疲労を抱えながらも頑張っているのが現実です。ですが、中には突然店に来なくなり、メールで退職希望を送ってきたり、労働基準法違反で訴えると言ってくる従業員もいるようです。

美容師と労働基準法・労働時間②休憩時間って決まっているの?

それでは、労働基準法上の休憩時間は、法律的には決まっているのでしょうか?労働基準法上では、「6時間以上の労働で45分、8時間以内の場合は1時間」の休憩時間を与え無くてはならない、という決まりがあります。

しかし、特に週末など、店が忙しいときは、きっちりと1時間の休憩を取っていられず、休憩時間そのものがない店も多く存在します。

特にお昼に開店する店も多いので、その前に食事をしておいたり、アシスタントがシャンプーしている時間や、カラーやパーマの施術をしたあとの放置時間の15分くらいの間に、急いで食べたり休憩したりということは日常茶飯事です。

美容師と労働基準法・労働時間③美容師の休日は?

近年、大手美容室では会社組織にして、きっちりと週休2日制を取っている美容室もあり、かつてに比べると美容師の休日取得数も格段に多くなってきたようです。

月曜日、もしくは火曜日に休日という美容室が多いですが、せっかくの休みもカットの講習会やセミナー、ヘアショーなどのイベントがあり、店にいる以上に疲労してしまうことも多いです。

普通の会社であれば、出張や研修等で休日を使った場合、「休日出勤」扱いになり、平日に代休が取れるところも多いですが、美容師の場合は、休日にセミナーやヘアショーに行くのは自分のためで、技術を向上させ早く一人前になるためであるので、業務の一環としてみなされていない場合も多いです。したがって、平日に代休を取れるということもありません。

そのため、街の個人経営の美容室などでは、普段は早朝から深夜まで働き詰めで、たまの休みには講習などで、自分の時間がないのが現実です。これでは夢を持って入社してきても、体力的にも精神的にも限界で、美容業界を離れてしまう美容師も多くなります。

逆に言うとそういう「逆境」を乗り越えて美容師として成功している人は尊敬に値するとも言えるのではないでしょうか。

美容師と労働基準法・労働時間④お店独自の残業代って何?

美容室の中には、早朝出勤や開店後の勤務を1時間1000円などと決めているところもあるようです。しかし、労働基準法では、こうして店独自で残業代を決めることは「違法」です。残業代とは一定の労働時間以上働いた場合、割増金額で支給しなければならないと法律の決まりがあります。

暗黙の命令を含み、店側の指揮命令が出た場合は「労働時間」となりますので、それ以外に働い場合は、基礎単価÷平均月間所定労働時間×割増率(25%)×残業時間の計算式で、残業代を請求できる権利があります。

しかし、休日や勤務時間同様、残業時間に関しても多くの美容室がグレーゾーンに存在しており、きっちりと残業代を払っているところは、数えるほどのようです。

まとめ

いかがだったでしょうか?華やかに見える美容師さんの労働条件は、労働時間の割に過酷でそのために美容業界の離職率も高くなっています。

開店前や終業後の準備や片付け、それにカット練習なども「残業」とはみなされず、自分のために技術を習得する時間として使っているという建前で残業代も払われていない店が多いようです。

しかし、これはあきらかに法律に反し、雇用されている側には残業代は請求できる権利がありますが、店側も言い逃れができる余地があり、結局はグレーゾーンのままの場合が多いようです。

近年では、こうした美容業界の離職率の高さに喝を入れるのが目的なのか、会社組織にしてきっちりと休みが取れて、有給もある大手美容室も存在します。こうした動きが出てきた事で、昔ながらの「職人の世界」の体質が抜け切らない美容業界の常識を打ち破り、今度はますます働きやすい環境になっていってくれることを願ってなりません。

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