美容室を開業する際に従業員を雇い入れる場合には、管理美容師をおかなければならないという点にも注意が必要です。保健所への提出や事業計画書の作成などしなければならないことがたくさんありますが、美容師法第12条の3によって定められている管理美容師についてもあらかじめ把握しておきましょう。保健所による開設検査の段階では取り返しのつかないことになるかもしれません。
目次
美容室を開業する時に管理美容師が必要な2つの理由
管理美容師とは美容師法第12条の3によって定められている免許を指し、従業員の数が常時2名以上の美容室を開業する場合には、必ず1人いなければいけないとされています。管理美容師免許を取得するための手順については後述しますが、まずは美容室を開業する時に管理美容師が必要な理由から抑えていきましょう。
開業後の美容室を管理するため
美容室の開業は必要な開業資金を準備し、保健所の検査をクリアすることで現実のものとなります。金融機関は別ですが、基本的に保健所は開設検査を行った後は美容室を訪れないことになります。そういった状況下でも、美容室を清潔に保ち、問題を発見できる美容師として管理美容師の存在が必要になります。
技術を有している証明のため
管理美容師の免許を取得するためには、一定の講習や課題をクリアする必要がありますが、その前段としてしっかりとした技術を有していることが条件になります。具体的には、美容師国家試験に合格し、美容師の免許を取得していること。その上で、3年以上の美容師としての実績が必要になります。開業後の美容室の柱となって活躍できる素質がなければ、管理美容師の免許を取ることはできません。
美容室を開業する前に管理美容師免許するまでのステップ
管理美容師の免許を手にするまでに、2つのステップをクリアする必要があります。まず、「管理美容師資格認定講習会」を受け、現在勤めている美容室などで「衛生状況調査」を行う必要があります。講習会後の調査結果をもとに、免許を取得できるかを判断されることになります。
管理美容師資格認定講習会
管理美容師資格認定講習会では公衆衛生を4時間、美容室の衛生管理を14時間と、カリキュラムが決められています。この講習が管理美容師のベースとなり、必ず受講しなければなりません。ただし、講習会は年に2回しか行われず、各自治体によってそのタイミングも異なりますので、いつ受講するかもあらかじめ決めておく必要があります。特定の自治体では応募期間や定員制を用いているケースもありますので、応募開始時期から抑えておきましょう。
衛生状況調査
公衆衛生4時間と美容室の衛生管理14時間の合計18時間の講習を受講した方だけが、次のステップとして衛生状況を調査することになります。衛生状況調査とは、現在勤めている美容室の衛生状態の調査を行い、その改善策を自治体に提出する一連の流れを指します。それぞれの調査結果と改善策を精査され、講習の成果があったと判定された方だけに修了証書が交付されます。
まとめ
管理美容師は美容室に2人以上の美容師が所属する場合は必須とされています。もともと1人で美容室を開業するつもりでも将来のことを見越して、先に免許を取得しておきましょう。管理美容師資格認定講習会やその後の衛生状況調査などのカリキュラムは、まとまった時間を確保する必要があるため開業後はなかなか参加が難しいという側面もあります。開業前の準備路して計画しておくことをおすすめします。