「将来は自分の美容室を開業したい」と考えている方にとって、もっとも気になることは「開業するのにいくらの予算が必要か?」ということではないでしょうか。美容室に勤めていれば、すでに開業している方から独立に必要な資金について話を聞いたことがある方も少なくないかもしれません。今回は、どんな項目にいくらの予算が必要なのかを明確にし、根拠のある予算組を紹介していきます。
目次
美容室の開業に必要な予算とは
まず、大まかに美容室を開業するにあたって必要になる予算は1500万円程度です。おそらくイメージしていた金額よりも高いと思われる方がほとんどだと思いますが、当面の運転資金を含んだ金額が1500万円です。多くの方が項目を確認せずに大まかな金額を抑えていますが、後述する「設備資金」と「運転資金」は必要です。
美容室の開業に必要な予算としての設備資金とは
独立し、美容室を開業する際に必要な資金のひとつが設備資金です。大体イメージはつくかと思いますが、お店を開店するにあたってのモノにかかる予算です。具体的には、内装工事900万円、美容機材200万円、備品100万円、保証金100万円程度は必要です。居抜き物件を見つけ、内装工事費を抑えたり、備品をリースにあうるなどして抑えることも可能です。
美容室の開業に必要な予算としての運転資金とは
さらに、美容室の開業前には実際の経営を見越した予算組をしなければなりません。具体的には商材仕入50万円、広告費100万円、諸経費50万円が必要になります。もちろん商材の仕入れ先や広告の仕方によって単価は異なりますが、3ヶ月〜6ヶ月間はやりくりできる資金計画を念頭に置きましょう。
美容室を開業するのに予算が準備できない場合には?
美容師に限りませんが、1500万円もの大きな金額をすべて自己資金で賄うことは、あまり現実的ではありません。その際に力になってくれるのが、日本政策金融公庫や各金融機関です。美容室を開業し、独立されている方のほとんどが融資を受けていますので、選択肢として検討しましょう。日本政策金融公庫は明確な根拠のある事業計画が必要になり、金融機関は無担保では借りられないというハードルもありますので、あらかじめ対策を講じておきましょう。また、場合によっては、創業融資という形で地域の商工会議所などから融資を受けることも可能です。それぞれの機関との交渉をうまくまとめるために、税理士や中小企業診断士への相談も必要になってきます。安全な資金繰りが融資の確率を高めることに繋がりますので、専門家の力を借りながら独立のイメージを明確にしていきましょう。
まとめ
ここまで美容室の開業にあたって、どんな項目にいくら必要になるのかを紹介してきました。「設備資金」や「運転資金」、融資を受ける場合の各機関について記載してきましたが、もっとも重要になるのは独立時にいくら手元に残せるかです。開業後に失敗していまうほとんどのケースが、内装工事費が高すぎた、見込んでいた収益をあげられなかったなどの、運転資金不足が原因です。美容室の開業に向けて動き出す前に、まずは本当に無理のない資金計画が立てられているかを確認しましょう。