お客様をカットやカラーリングなどの施術を通じてオシャレ変身させるというカッコいいイメージのある美容師ですが、そんなレベルに至るまでに厳しい試練が待ち受けていることを念頭においておきましょう。これから美容師を志す方はもちろんですが、美容室の開業を検討している方も今一度美容師の人間関係が経営に関わることも想定しておきましょう。美容師の人間関係の大変さを想定することで、将来が変わってくるはずです。
目次
美容師の人間関係の難しさ
もちろんすべてが人間関係に起因しているわけではありませんが、美容師の離職率は3年で70～80％とされています。美容学校などに2年〜3年通い、厳しい美容師の国家試験をパスした方たちでもこれだけ多くの方が美容師を辞めていきます。労働環境の過酷さなども理由のひとつとされていますが、美容師には特有の人間関係が存在し、離職率に深く関係しています。美容室の経営者の目線で考えれば、なかなか人材が育たず、しっかりと売り上げを立てられる美容師は限られている事実に目を向け、美容師同士の人間関係へのフォローが必須と心得ておく必要がありそうです。
美容師が人間関係で嫌だと感じる3つのこと
美容師の離職率に深く関わっている要因として人間関係を取り上げますが、具体的にはどのような点が問題となっているのでしょうか？ここでは、「受け継がれる師弟関係」「良くも悪くも実力社会」「個々のこだわり」について紹介していきます。美容師の数が多いサロンほど人間関係に悩みを感じることも多くなりますので、美容業界の慣習として想定しておきましょう。
受け継がれる師弟関係
まず美容室への勤務は間違いなくアシスタントから始まることになります。少し誇張した表現になるかもしれませんが、アシスタントはスタイリストとの師弟関係を築くことになり、必要なスキルのすべてを先輩から教わります。最近ではゆとりのある働き方が推奨されているという背景もあるため、人間関係もフラットになっていますが、アシスタントの段階では先輩のスタイリストの言うことが絶対です。もし、尊敬できるような先輩であれば良いのですが、その反対だった場合には悩みとして感じてしまう状態というのもイメージしやすいのではないでしょう。
良くも悪くも実力社会
アシスタントからある程度売り上げに貢献できるスタイリストになっても人間関係には気遣いが必要です。美容師は年の上下での人間関係もありますが、良くも悪くも実力が優先される社会です。そのため、年下でも売り上げが高ければサロン内での存在感が増していくことになります。自分が思い通りの売り上げをあげられていれば悩みを感じることもありませんが、後輩が自分の成績を上回ってしまった場合を考えてみると非常に肩身の狭い思いをすることになります。
個々のこだわり
サロン内でトップクラスの成績を残せるようになってからは、店長との人間関係に悩まされることも少なくないようです。ある程度自分のサービスに自信をもっていても店舗の方針を決めているのは店長であり、その良し悪しを決める権限を持っています。もちろん良好な人間関係を築いていれば問題ありませんが、成果をあげているからこそ折り合いがつかなくなるというケースもあります。
まとめ
これから美容師を志す方は、これまで紹介してきた無いようを確認し、美容師の人間関係を前向きに捉えられるか？をしっかりと見定めるようにしましょう。一見すると美容業界の厳しい側面ばかりを記載しているようですが、その分人間的に早急に成長できる環境でもあります。ここまで実力社会でありながら、店長や先輩への気遣いが必要な業界はそう多くありません。ただし、厳しい業界へ飛び込むという覚悟がなければ、せっかくの美容師としての備えたスキルを無駄にすることになります。そのようなリスクを回避するためにも、しっかりとした見通しを立てておきましょう。