美容室に就職して何年かキャリアを積み、技術とセンスを身に付け、御ひいきにしてくれるお客さんも多いなら、自宅の1室を美容室にして、独立開業したいと考えるでしょう。ですが、自宅で美容室を開業するためには、費用がかかります。なので、上手にお客さんを集客して、売り上げを出していければ、店舗の運営資金も出すことができます。軌道に乗せるまでが大変ですが、利用するといい助成金制度などありますので、融資と合わせて経営していくといいでしょう。
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自宅で美容室を開業するには、規模により費用が変わってくる
自宅で美容室を開業するにあたり、集客人数を何人ぐらいにするかで、費用が変わってきます。10人ぐらい集客できる美容室と、3人ぐらい集客できる美容室では、かかってくる費用が違ってきます。当然規模が大きければ、かかる費用も大きくなりますので、初めに何人集客できるお店にしたいのか、余裕も持って経営できる規模を、設定してみましょう。
自宅の1室を美容室にして、開店したい場合は、内装費用や運営資金など、低コストで経営していくことが可能です。自宅に隣接して美容室を建設する場合は、建物を立てなければいけないので、数千万円は費用がかかってきます。自宅の1室を美容室にする場合は、空調設備や給排水工事費など、美容室を稼動するのために、作る必要がありますので、部屋をリフォームするぐらいの費用を、予算として準備しておくといいでしょう。
美容室はお客さんの髪の毛を、シャンプーする回数が多いので、特に給排水工事は、しっかり行うといいです。1番費用をかけるべき箇所と言えます。マンツーマンで、1人だけのお客さんを、丁寧に接客したいという場合は部屋を、髪の毛をカットして、洗髪できる設備に、整える程度で済むかもしれません。
備品としては、シャンプー剤やパーマ剤、ケープ、タオルなどが必要になります。
その他としては、やはり宣伝をしないと集客が難しいので、広告料も予算に組込む必要があります。ですので、自宅で美容室を開業すると一言で言っても、集客するお客様の人数により、かかる費用が違ってきます。
助成金を利用すれば余裕を持って自宅で美容室を開業できる
ヘアサロンを余裕を持って経営していきたいと、開業する美容師さんであれば、誰でも思っているでしょう。赤字経営になり、余裕がなくなったり、倒産することはなるべく避けたい状況です。
そこで開業する際は、便利な「助成金制度」を活用する方法をおススメします。「助成金制度」とは、開業する会社の将来性に、国が投資してくれる制度のことを言います。
「助成金制度」は、人を雇用した場合に、利用することが可能となっています。条件を満たしていて、審査が通れば、厚生労働省より貰うことができます。助成金を受け取った後、お金を返済する必要がありません。美容室開業の際に、とても便利な役立つ制度となっています。
又、ヘアサロンを開業して、お店を経営していくために、人を雇う必要があれば、「中小企業基盤人材確保助成金」を貰うことができます。助成金を貰う条件としては、
・店舗が雇用保険に加入している
・都道府県知事より、美容室の開業認定を受けている
・美容室の開業認定を受けて、1年以内に基盤人材(美容師の経験が2年以上)、もしくは一般人材(アシスタントなど)を雇っている
・美容室を開業するための、設備費・工事費などを、300万円以上負担している
が満たされている必要があります。美容師の経験が2年以上ある人を、雇用した場合は、1人当たり140万円の助成金を、受け取ることができます。アシスタントなどの役目をする人材を雇用した場合は、1人当たり30万円の助成金が貰えます。基盤人材も一般人材も、両方とも最大5人まで支給されます。
その他便利な制度としては、美容師としてのキャリアがあり、美容室で働いていた方が、美容室を開業する場合は、「受給資格者創業支援助成金」を、貰うことが可能です。条件としては、
・美容室を開業する美容師さんが、5年間以上雇用保険に加入している
・美容室を開業する美容師さんが、自分も美容師に関わる業務を行うこと
・美容室を開業して、1年以内に従業員を雇用保険に加入させること
となっています。「受給資格者創業支援助成金」を利用しますと、美容室を開業して3ヶ月以内の、経費の3分の1を貰うことができます。ですが、上限は200万円までです。助成金を上手く利用していけば、自宅で美容室を開業する際も、余裕を持って経営することができます。
融資を受けて自宅で美容室を開業するには
様々かかる費用全部を、自己負担できればいいですが、予算がそれほどない方は、融資を受けるという方法があります。融資は誰でも簡単にというわけにはいかず、融資を受けるための、きちんとしている事業計画書を作成する必要があります。美容室を開業するための事業計画に、問題が無く予定通り返済できるだろうと判断された場合は、無担保・無保証で、融資を受けることが可能です。
又、融資の中でも、「制度融資」という制度があります。中小企業などの会社を設立する際に、開業する方へ融資あっせんする制度のことで、各都道府県の地方自治体が行っています。銀行が窓口になっていて、自治体から預かっている預託金を使用し、融資を行っています。金利の一部分を、負担している地方自治体もあります。
地方自治体の審査に通った後、紹介状を貰えます。窓口になっている銀行などの金融機関に、紹介状を見せて、融資を受けることになります。銀行も審査がありますので、通過することが融資を受ける条件になってきます。金利も低いので、美容室を開業するために、利用価値がある融資と言っていいでしょう。
独立して自宅で美容室を開業するための手続き
開業する日の1週間前までに、保健所へ提出しなければいけない書類があります。新規で美容室を開業する際は、
・理・美容所開業届け
・従業員の名簿
・施設の平面図と概要
・医師の診断書
を書類として、保健所へ提出する必要があります。理・美容所開業届けを提出しますと、書類審査が行われ、美容室を開業する部屋などの、現場が確認されます。問題などが無ければ、確認証が交付されます。医師の診断書については、発行後3ヶ月以内のもので、従業員全員の書類が必要です。
又、税務署にも提出しなければいけない書類があり、「個人事業開廃業等届出書」になります。自分以外にも従業員を雇用するのであれば、「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出しなければいけません。
その他、区市町村へ提出しなければいけない書類として、従業員を雇用する場合は、労働保険の加入書類が必要です。自宅であっても、法人として美容室を開業するのであれば、社会保険の加入書類が必要です。個人事業主として開業する方は、提出の必要はありません。従業員が5人以上の場合は、提出の必要があります。
独立して自宅で美容室を開業するためには、手続きのために提出する書類が、保健所・税務署・区市町村の、3箇所必要になってきます。少し大変かもしれませんが、きちんと提出されれば、自宅で美容室を開業することが可能です。テナントなどで開業する場合も、同じ手続きで大丈夫です。
自宅で美容室を開業した後の集客方法
美容室を開業した後、お客さんを集客する方法を、いくつかご紹介致します。最近では、ホームページを使用する方法も少なくないですが、自分でやれる方法を選んで、無理なく集客する方法を探してみましょう。ホームページはお店を知ってもらうには、とても良い宣伝ツールです。無料でホームページを立ち上げることができますし、写真などを上手く掲載すれば、特にデザインセンスがなくても、それなりにいい感じの、ホームページを作ることができます。URLをお店の宣伝広告チラシや名刺などに、掲載してお客さんに見て頂くようにしましょう。詳しい情報は、ホームページにアクセスして見て下さいと、お客さんに伝えておけば、時間があるタイミングに、閲覧してもらえるでしょう。
来店してもらえたお客さんには、ハガキなどでお礼を送るといいでしょう。来店して頂いたことに対し、感謝の気持ちを伝えましょう。ハガキがクーポン券にもなっていれば、送付されてきても嫌な印象をもたれません。余裕があれば、SNSなどで宣伝したり、会員登録してもらうのもいい方法です。
まとめ
自宅でヘ美容室を開業するなんて、資金も必要なので簡単にはいかないと思っていた方も、実現できる印象を持ったのではないでしょうか。何年か美容師として働いている間に、独立開業するための資金を、定期で貯金しておき、かかる費用が貯まったら、助成金を利用し、融資を受けて経営していけば、なんとか経営していけるのではないでしょうか。やはり一番大切なのは集客で、お客さんへの丁寧な接客や、サービスの良さが、リピートに繋がると言えます。