最近では、美容室経営が非常に増えましたよね。美容師の方であれば、誰しも自分のお店を開くという憧れを抱いているかと思います。そこで、今回は美容室経営の現状と業界の動向について解説していきます。
目次
美容室経営の現状
近年、理美容室業界の市場は縮小傾向にあるようです。細かく説明すると、理容業界については店舗数減少、顧客の高齢化、価格競争等により低迷。一方で、美容業界については低価格サロンと高級サロンが二極化が進んでいますが、ヘアケア商品等の物販やその他の付加価値サービスの強化により、何とか前年度並みの結果となりました。
出店ブームが起こっている
以前に比べて、独立する美容師が増えたことにより、毎年お店を開業する方が非常に増えています。しかし、業界は全体として良いとは言えない状況です。そのため、開店後3年間の閉店率が9割にも達するそうです。
お店の二極化
数年で美容室を利用する頻度は全体的に増えているようですが、一方で支払金額は低下傾向にあるようです。これは、大型チェーン店が規模の経済を活かして、低価格でサービスを提供していることが考えられます。一方で個人で経営しているお店は、ある程度単価を上げなければ、お店を維持していくことができません。
この業界は、サービス業にあたるため社会の景気動向を非常に受けやすい業種です。サロンが二極化する傾向にあるのは、日本社会自体が二極化しているためだと思います。
実際に、年収200万以下の20代は50%程度と非常に多い状況で、50代についても貧困層が増加している傾向にあるそうです。
そのため、貧困層については低価格でしかサービスを受けませんが、富裕層については値段をいとわずに高級サロンに通うことが多いと言われています。
ヘアケア商品の物販、その他の付加サービス
単にヘアーカットやカラーをするだけではなく、ヘアケア商品の物販や付加価値のサービスを提供することが良い傾向にあるそうです。
美容室業界の今後の動向
Web戦略は必須
日々、予約サイトでは様々な美容室が紹介されており、どれも似たり寄ったり…というのが私の率直な印象です。とりあえず掲載するだけでは、お客に選んでもらうのは中々難しいのではないかと思います。
そこで、最初からしっかりと「どのように運営していくのか」ということを決めて、Web戦略を駆使していうことが必要不可欠になると考えています。
M&Aが加速化する
跡継ぎ問題は取り上げられることが多い業界ですが、現状7割以上は後継者がいないという状況にあるため、自分で経営を行うのを辞めてM&Aを行うお店がとても多いです。また、以前と比べて売上が上がらない、良い人を採用できないという理由からM&Aを行うお店もあるようです。
お客さん一人一人と向き合う
競合他社が数多くいる状況なので、お客さんといかに関係性を築けるかということを意識するようになります。
隙間時間で働く美容師が増える
現在、休眠美容師は60万人近くいると言われており、これは現役美容師よりも多いそうです。今後は、そのような休眠美容師が隙間時間で仕事をする働き方が増えていくかと思います。理由としては、以前よりも働き方が多様化し、働きやすい環境が整ったことが挙げられます。
いかがでしたか。美容室業界は、今後さらに競争が激化していくことが予想されます。もしこれから開業を考えている方がいれば、業界全体の現状と動向について把握しておくことをおすすめします。