美容師さんは、健康保険や社会保険への加入が難しいとよく言われます。これは本当なのでしょうか?そもそも健康保険や社会保険へ加入できる条件とは、どのようなものなのでしょうか?
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個人経営の美容室は社会保険加入が義務ではない
最近では、美容室でも大規模なところでは「法人化」しているところも多くなってきましたが、このようなところだと、週休2日制で社会保険にも加入しているところが多いようです。しかし、美容室はまだまだ個人経営が多いもの。実は個人経営の美容室は、「接客娯楽業」とカテゴライズされ、任意適用事業所となるため、社会保険への加入が任意で、義務ではないのです。とはいえ、任意ですので、オーナーに経営上の余裕があれば、加入することもできるのです。
その為、会社が半分を負担する社会保険への加入への余裕が無いところが多いため、社会保険ではなく、個人で国民年金タイプの保険に入っている人も多いというわけです。また、昔からの風習で、保険に入らないという風習がいまだに残っているせいもあるのかも知れません。
社会保険に入っていれば、会社が保険料の半分を負担しますので、将来もらえる年金の額も多くなりますが、国民年金ですと、社会保険のほうには年金がもらえません。美容室の中には、法人化して社会保険に加入しているところも多くなっているとはいえ、その割合は決してまだ高くありません。
美容師の健康保険は?
健康保険は、万が一病院にかかるようなことがあれば、持っていたほうがいい保険ですよね。もし健康保険に加入していない場合、全額負担となりますので、莫大な医療費を支払うことになってしまいます。
美容師は、社会保険が完備されている会社組織の店にいる人でも、美容業以外の中小企業も加入する「協会けんぽ」と呼ばれる組織か、美容業専門の「全日本理美容健康保険組合」、「東京美容国民健康保険組合」、または「大阪府整容国民健康保険組合」の3つの健康保険組合、または、美容業の国民年金的な位置づけの「理美容国保」という組織に加入しています。
会社が3つの健康保険組合に加入している場合は、保険料の半額は会社負担ですが、その保険料の額は年収によって変わります。正社員なら週に40時間以上、またパートやアルバイトでも週に30時間以上働くなら加入する義務があります。
また、「理美容国保」の場合は、会社が保険料を負担することもないので、保険料は一律金額となります。
美容師の労災や雇用保険はどうなる?
社会保険の中には、労災保険や雇用保険も含まれます。労災保険は仕事中に怪我などをした場合に払われるお金、雇用保険は万が一失業した場合など、失業保険などに使われるお金です。
美容師はハサミを扱うので、労災保険は特に重要です。社会保険は個人経営の場合の加入は任意ですが、労災と雇用保険は加入義務がありますので、万が一加入していないで従業員が怪我をした場合、雇用主が代わりに治療代を払わさえることもあり得ます。加入していると、保険で適応されるので、雇用主の負担も減るというわけですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?最近では、法人化して、社会保険にもしっかり加入して待遇がよくなっているとはいえ、まだまだ個人経営の美容室では、美容師さんの保険の加入を徹底しているところは少ないのが現状です。
社会保険も完備のところに勤めるのがベストですが、そうできない場合は、自分で保険に加入し、万が一に備えるのがおすすめです。